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土木 特別授業「業界の現状と未来〜スマートコンストラクションの活用」

2018年12月10日 土木 特別授業「業界の現状と未来〜スマートコンストラクションの活用」

みなさん、こんにちは。
風邪をひいてしまい、先週は絶不調だった土木・造園科の佐藤です。
みなさまもどうぞご自愛くださいませ。


前回の記事に引き続き、今回も土木業界の最新の動向についての特別講義のご報告です。
東京都調布市に本社を置き、多摩地区の社会インフラ整備を担っている巴山建設(株)・巴山興業(株)、そして“スマートコンストラクション”のコマツカスタマーサポート(株)の皆様にご協力いただきまして、4部構成の産学連携特別授業を実施いたしました。


第1部は「土木建設業界の現状と未来」と題して、巴山建設(株)専務取締役の巴山一済氏に講義をしていただきました。

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土木建設業界で働く人のうち、29歳以下の割合はどのくらいか想像つきますか?
この10年ほどは、なんと10%程度という低水準で推移しているんです。
担い手不足という言葉はよく耳にしますが、あらためて数字で見ると、その深刻さがわかります。
もう技術・技能を継承していくことは現実的には困難な状況になっているんですね。

こうした現状から導き出される未来は、ICT(情報通信技術)を活用した新しいスタイルの土木工事、ということになるわけです。
ドローンやトータルステーション、人工衛星からの情報なども活用しながら測量データを取得し、そのデータを活用して自動制御で建設機械を動かす。
どこまで行くのかはわかりませんが、少なくともICTやAI(人工知能)などの技術の活用が進み、少ない人数で効率的かつ安全に施工をするという方向性で進んでいくように思われます。


第2部は、ICTを活用してすでに測量等を実施している大型の開発工事の概要について説明していただきました。
講師は、巴山興業(株)取締役営業部長の巴山勝済氏。
3次元データの活用は、もう現実となっているんです。


第3部は、第2部で概要を説明いただいた現場における“スマートコンストラクション”の活用について、コマツカスタマーサポート(株)の3人の方に講師をしていただきました。
“スマートコンストラクション”は、建設機械のコマツが提案するICTを活用した施工システムです。

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講師のうちおひとりは女性の方で、ICT建設機械であれば大型の重機も乗りこなすそうです。
かっこいいですねー。
女性がICT建機を使って、土工事にチャレンジする動画なども見せていただきました。
(「スマートコンストラクション」などで検索すると動画が見られるので、ご興味のある方はぜひご覧ください)
現在は、女性ということに注目が集まりがちですが、近い将来、当たり前のこととして話題にも上らなくなるかもしれませんね。

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学生からの質問にも、丁寧にお答えいただきました。
私からも、「学生時代にどんなことを学んでおいたほうがいいのでしょう?」という質問をさせていただきました。
技術が進歩しても、土木技術者としての能力、たとえば座標を読む力が不要になることはないのだから、やはり一つ一つ地道に勉強していくことが大切、とのことでした。

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「興味を持て」という熱いメッセージもいただきました。
興味を持つことで、仕事にも楽しさが生まれ、効率も上がるし、一歩踏み込んでいける。
学びも同じですね。
「自分には関係ない」と思ったら、そこでゲームオーバー。
あらゆることに対して、心をオープンにして向き合う。
その姿勢を持ち続けることで、自分が想像もしていなかった世界が見えるようになる。
そういうものだと思います。


第4部は、再び巴山興業(株)の巴山勝済氏にご登壇いただき、「フロー型社会とストック型社会」と題して講演いただきました。

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人口減少が確実なこれからの日本は、大量生産・大量消費、スクラップアンドビルドのフロー型社会から、インフラや住宅などを長持ちさせて社会の資産を蓄積していくストック型社会へ移行していく、というお話をうかがいました。
その講義の中で発せられた「先行きがわからないから不安になる。縮小するなら縮小していく社会なりの生き方がある」という言葉は、特に印象に残っています。

この先も今ある社会が続くと私たちは思いがちですが、変化しない社会はないし、これからの日本は社会システムそのものが激変していくことになるでしょう。

学生のみなさん、そんな社会でどう生き残っていくつもりですか?

そのヒントがたくさん散りばめられていた特別講義でした。

(佐藤)







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